非認知能力

子どもを伸ばす親が知っているおもちゃ選び6つのポイント

子どもが笑顔で遊び、その過程で能力を自然と伸ばす。そんな親の願いを形にするためには、適切なおもちゃ選びが鍵となります。でも,ちまたにはたくさんの種類のおもちゃがあります。あふれる選択肢の中から,子どもの成長段階に合ったおもちゃを選ぶ難しさに頭を悩ませてる親も多いことでしょう。

「おもちゃっていろんな種類があるけど,何を選んだらいいの?」
「とりあえず知育玩具を揃えればいい?」
「そもそもおもちゃって子どもの成長に必要なの?」

おもちゃは,子どもが想像力や創造性を広げ,社会性を身につける手段です。それは子どもが自身の力を目一杯発揮し,集中するための重要なツールでもあります。ただし,その力を最大限に発揮させるには,子どもの発達段階に適したおもちゃを選ぶことが必要です。そして,子どもの興味や能力を観察し,子どもが扱いやすく,遊びの余白があるおもちゃを選ぶこと。

この記事では,子どもの成長をサポートするおもちゃ選びのポイントをドイツのシュピールグートの良いおもちゃの評価基準を参考にしながら紹介します。

おもちゃ選びに迷ったときに利用できるリソースや,おもちゃ図書館やサブスクリプションサービスを活用する方法についても解説します。子どもの成長を最大限に引き出すおもちゃ選びの秘訣を一緒に探っていきましょう。

子どもの成長におけるおもちゃの重要性

おもちゃは子ども発達において非常に重要な役割を果たしています。子どもは遊びを通じて,身体感覚や想像力,問題解決力,コミュニケーション力などの能力を伸ばしていきます。

「未来のイノベーターはどう育つのか」の著者トニー・ワグナーは「子どものイノベーティブな能力を伸ばすためには,スケジュールを詰め込まず,遊びと発見の時間を確保する」ことが重要だと話しています。
(参考:トニー・ワグナー(著) 藤原朝子(訳). 2014. 未来のイノベーターはどう育つのか-子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの 英治出版

子どもの遊びの広がりに大きな影響を及ぼすものが「おもちゃ」です。おもちゃは子どもにとって遊びの手段であり,遊び相手であり,遊びの目的そのものです。おもちゃは子どもの成長にとって欠かせない”パートナー”なのです。

おもちゃが子どもの成長に果たす役割については,「非認知能力を伸ばすために重要な「おもちゃ」の役割 」でも詳しく解説しています。

非認知能力を伸ばすために重要な「おもちゃ」の役割遊びの中で非認知能力を向上させるおもちゃの役割について心理士が丁寧に解説。子どもを成長させるおもちゃとは?どんなおもちゃを選べばいいの?という疑問にお答えします。キャラクターおもちゃや知育玩具を選ぶときの注意点も。...

子どもの成長に適切なおもちゃを選ぶことができれば,子どもは自然と楽しみながら自らが持っている能力と可能性を最大限伸ばすことができます。

どんなおもちゃが適切なのか,その答えを導き出すキーワードは「遊びこむ」ことです。

子どもの成長に必要なこととは?

子どもは遊びの中から学んでいきます。大人がものごとを進めていくときにPDCAのサイクルで少しずつ成長していくように,子どもの遊びの中にも一定のサイクルが見られます。

子どもの遊びの中に見られる成長のサイクルを「PDSサイクル」と呼びます。

PLAN:計画
DO:実行
SEE:確かめる

「おもちゃの選び方与え方」の中で,新開英二さんは「PDSサイクルのない遊びは単なるじゃれ合いになってしまい子どもは満足感を感じない。子どもの成長発達を促す遊びにはならない」と話しています。
(参考:新開英二 (1993). 子どもの遊びとおもちゃ げ・ん・き編集部(編) おもちゃの選び方与え方, pp.77-91. エイデル研究所

今の子どもの状態にうまくマッチしたおもちゃがあると,子どもはそのおもちゃとの関わり方を自分で「計画」し,実際に遊んでみて(「実行」),「確かめる」サイクルを繰り返します。この遊びこむ行動こそ,子どもの成長にとっては欠かせない要素なのです。

遊ぶことの重要性については,「子どもの成長を支える「遊び」の意味と力 」でも詳しく解説しています。

子どもの成長を支える「遊び」の意味と力子どもの成長,特に非認知能力を伸ばすために重要な「遊び」のもつ意味とちからについて心理士が丁寧に解説。そもそも遊びって何?どんな遊びが子どもを成長させるの?遊びをするより早期教育をしたほうがいい?など遊びに関する疑問にお答えします。...

遊びこむことと集中現象

PDSサイクルを繰り返しながら遊びこむことで子どもは成長していきます。

子どもの遊び場づくりのプロフェッショナル「プレーパークせたがや」の立ち上げメンバーでもある大正大学人間学部特命教授の天野秀昭さんは,遊ぶことの大切さについて次のように話しています。

遊ぶ行為には自分で自分を育てる力が満ちあふれている。この力を,ぼくは「遊育」と呼んできた。大人がよく使うのは「教育」だ。この二つの言葉には、決定的な違いがある。

教育の教の字は、「教える」という他動詞だ。必然的に育の字は「育てる」となろう。それに対し、遊育は「遊ぶ」という自動詞なので、「育つ」。誰が主体かを考えれば、その決定的な違いがわかる。遊育は、それをする本人が主役の言葉なのだ。
天野秀昭「よみがえる子どもの輝く笑顔 ~遊びには自分を育て、癒やす力がある~ (あんしん子育てすこやか保育ライブラリーspecial)」 pp.52

遊びは子どもが自分からしたくてやる行動です。自分から始めた行動だからこそ,遊びは本気で取り組むことができます。遊び込むことで子どもは自分の力の限界まで挑戦し,成長していくことができるのです。

この本気で取り組む行動のことを,モンテッソーリ教育では「集中現象」と呼んでいます。「集中現象こそがすべての鍵」と言われるほどモンテッソーリ教育では重要視されている成長の要なのです。

子どもの発達段階(敏感期)に見合った環境さえあれば,子どもは自分から学んでいく力(自己教育力)を発揮し,活動に対して積極的に繰り返し関わる集中現象を生じさせます。
(参考:松浦公紀 2004. モンテッソーリ教育が見守る子どもの学び 環境を征服する子どもたち. 学研教育みらい

幼児期にモンテッソーリ教育を受けた将棋の藤井聡太棋士のお母さんは,幼児期から何かに夢中になるとすごい集中力を発揮する藤井聡太さんに対して,「集中している時は邪魔しない」ということをお父さんと一緒に約束したと話しています。
(参考:堀田はるな(著) 堀田和子(監修) 2018. 子どもの才能を伸ばす最高の方法モンテッソーリ・メソッド. あさ出版

集中現象は子どもの成長のために欠かすことのできない状態です。そして,集中現象を引き出すには子どもの興味関心や発達段階,成長過程にあったおもちゃを選ぶことがポイントです。

おもちゃを選ぶポイントについてドイツの「シュピールグート」を参考にしながら,さらに詳しくみていきましょう。

おもちゃを選ぶときのポイント

子どもを伸ばすためのおもちゃを選ぶときに気をつけるポイントは次の6点です。

  • 子どもの発達段階にあったもの
  • 子どもの興味関心が広がるもの
  • 子どもが扱いやすいもの
  • 安全性の高いもの
  • 必要な量がそろっているもの
  • 遊びの展開が望めるもの

シュピールグートの良いおもちゃの評価基準

おもちゃの先進国ドイツでは,毎年「子供の遊びと玩具審議会」によって子どもに遊ばせたい良いおもちゃが選ばれ認定されています。それが「シュピールグート」です。

「子供の遊びと玩具審議会」は教育者・哲学者・医者・臨床医・芸術教育者・デザイナ-・両親などからなる専門家で構成されています。シュピールグートに選ばれたおもちゃにはオレンジのマークが貼られ,そのおもちゃは専門家が自信を持っておすすめできる子どもにとっての良いおもちゃのお墨付きが得られます。(ちなみに審議会のメンバーは全員行政からの援助も受けずに費用持ち出しの完全無報酬で活動しているそうです!)

シュピールグートとして選ばれるための評価基準には13の項目があります。

  • 子どもの年齢と発育段階
  • 想像力
  • 周囲の世界の体験
  • 遊びのバリエーション(多様性)
  • 素材と加工
  • デザイン,形と色
  • 大きさと重さ
  • 数と量
  • 構造と仕掛け
  • 耐久性
  • 安全性
  • 環境へのアセスメント(エコロジー)
  • 価格

この項目にそって審議され,実際にシュピールグートとして選ばれるのは候補のうちのわずか半分ほどという厳しい基準です。

子どもの発達段階に合ったもの

子どものためのおもちゃを選ぶときに一番気にしたいポイントは,「子どもの発達段階に合ったもの」を選ぶことです。シュピールグートの基準でも一番初めに書かれている「子どもの年齢と発育段階」という項目です。シュピールグートの基準を見てみましょう。

子供の年齢と発育段階
たいていの場合、玩具はある年齢層を対象に作られています。逆にいえば、その年齢の子供の要求を満たすものでなくてはならないということです。幼い子供を対象にしながら、大きな子供の能力を必要とするような玩具は、結局、使いこなすことができないので落胆させるだけになってしまいます。
シュピールグート|選ぶための原則

例えば,2歳の子どもではまだルールの理解が難しい子も少なくありません。その頃に子どもにボードゲームをやらせてあげても子どもはまだ本気で楽しむことはません。手先の器用さなども成長にともなって変化していきます。小さいうちはあまり細かな作業が必要ではないおもちゃを選ぶ方が良いでしょう。

子どもは自分の発達段階に合ったおもちゃなら時間を忘れて遊びこむことができますが,自分に合わないものは興味を示さないだけではなく,やる気を失ってしまう場合もあります。子どもの成長段階にあったおもちゃを選んでいくようにしましょう。

子どもの興味関心が広がるもの

子どもが夢中になって集中的に遊ぶには,子どもの興味関心とあっているおもちゃを選ぶことも大切です。子どもにとって遊びは自分と世界をつなぐ方法のひとつです。子どもの興味関心を遊びの中で広げることができれば,子どもの好奇心は自然と刺激され自ら学ぶ力を伸ばすこともできます。

シュピールグートでは,「周囲の世界の体験」の項目で評価されています。

周囲の世界の体験 遊びは日々の生活と、子供の印象的な体験を模倣したものといえます。現代では子供の世界にテレビとコンピューターもすっかり入り込んでいます。玩具は子供が関心のあるテーマと向かい合う助けになるべきです
シュピールグート|選ぶための原則

好奇心は子どもを伸ばす原動力です。「子どもの非認知能力を伸ばすには?親が知っておくべき『好奇心』の重要性と育て方 」でも詳しく解説しています。

子どもの非認知能力を伸ばすには?親が知っておくべき『好奇心』の重要性と育て方非認知能力を伸ばすためには「好奇心」に着目するのがポイント。好奇心は学びへ向かう力の基礎になります。この記事では,「好奇心とは」「なぜ好奇心が大事なのか」「好奇心を伸ばすための親子の関わり方のポイントは」などを心理士が丁寧に解説。...

子どもが扱いやすいもの

内面の成長段階と同じように,子どもの身体機能の成長も徐々に進歩していくものです。2歳くらいになるまでのまだ幼いうちは,あまり細かな作業は得意ではありません。またツルツルすべるような素材だとはじめのうちはうまく持つことができなかったりします。自力で遊びこめるようにおもちゃは子どもが一人で扱いやすいものを選びましょう。

シュピールグートでは,「素材と加工」「デザイン,形と色」「大きさと重さ」という項目で評価されています。

素材と加工 素材と加工法は近年総じて改善されてきましたので、玩具の質に異議を唱えることは少なくなってきました
デザイン、形と色 これらは多様な遊び方と想像力の世界に大きな影響を与えます。過剰なゴテゴテした装飾は遊びの本質から注意をそらしてしまいます
大きさと重さ 玩具の適切な大きさは玩具の目的と子供の年齢に関わります。巨大なテディベア-はあちこちに持ち歩くには不適切です。
シュピールグート|選ぶための原則

安全性の高いもの

子どもはまだ自分自身で身の安全を確保することができません。子どもが扱うおもちゃについても,親や大人が安全なものを選んであげる必要があります。

また,子どもは夢中で遊んでいると結構むちゃなおもちゃの使い方をする場合もあります。想定外の扱い方をしたときにも壊れないような耐久性の高いおもちゃを選ぶことも,ケガをしないで安全に遊ぶためには重要なポイントです。

赤ちゃんに向けたおもちゃを選ぶときには,口に入れても安全なものを選ぶことも大切です。赤ちゃんは口に入れることで,そのものの形や感覚を確かめていくからです。お米でできた積み木など材質で選んだり,飲み込めないサイズのおもちゃを選んであげましょう。

シュピールグートでは,「耐久性」「安全性」「環境へのアセスメント(エコロジー)」で評価されています。赤ちゃんの場合は「素材」「大きさ」というのもポイントですね。

耐久性 これは遊びの目的と使う期間に相当しなくてはなりません。玩具の良さは弱点と比例します。わざとでなく、使っているうちに壊れてしまうと子供ががっかりするという点を、私達はもっと真剣に考えるべきです。大人から与えられた玩具が使用に耐えるものかどうか、は大人の世界への信頼感にも関わってきます。
安全性 70年代にヨーロッパでは玩具の安全基準がつくられました。これを機に「シュピール・グート」は評価基準の一つとして安全性を取り入れました。この安全規格はすべてのヨーロッパ諸国で法的に有効なもので各玩具の種類で安全基準がいろいろと規定されています。審議会のテストでは、更に「間違った使い方にならないよう安全性が考慮されているか」という点も評価します。たとえば、玩具で遊んでいる時に危険がないかどうか、あるいは、その玩具だったらむしろ違う年齢層の子供に適切なのではないかという点も考慮するのです。
環境へのアセスメント(エコロジー) 80年代にはあらゆる分野で環境保護の意識が広まり、審議会も1989年から「シュピール・グート」の評価基準に取り入れました。テスト前に各メーカーは材料についての情報も提出する義務があります。その玩具が環境に優しいかを判断するには様々な要素がからんできます。例えば、素材そのものの特性、製造・使用・処理の際にどのくらいのエネルギーを必要とし、環境を汚染するかといったことです。また、玩具が長期間使用でき、修理可能かどうか、また材料を再利用することができるかということです。勿論、子供の健康を保護するという点も考えなくてはなりません。
シュピールグート|選ぶための原則

必要な量がそろっているもの

子どもの遊びを発展させるおもちゃには「必要な量がそろっているかどうか」というポイントも重要です。レゴで飛行機をつくって完成間近…というときに窓のパーツが足りないとわかったらとてもがっかりすることでしょう。同じように積み木にしても,特に何かを”形づくる”おもちゃでは,必要な量がそろっているかは大切なポイントです。子どもが自分の持っている想像力をフルに発揮して,全力で遊びこむためにはその想像力を受け止めるだけの量がそろっていることが必要です。

そのためには,決まった予算内で多くの量をそろえられるかどうかもおもちゃを選ぶポイントとなってきます。

シュピールグートでは,予算の面も含めて「価格」「数と量」の項目で評価されています。

価格 良い玩具というものは、様々な価格帯にまたがっています。普通、私達が玩具を評価する場合、価格そのものを考慮することはありません。消費者はその玩具が値段に見合ったもので、納得して支払えるかを自分で判断すべきだと思います。
数と量 玩具で遊ぶ楽しさや達成感は適切な玩具の数量があるかどうかに左右されます。積み木はたくさんあってはじめていいものが作れるのです。近年、構成玩具の種類と発展にはめざましいものがあります。むかしは簡単な基本セットと補助パーツセットがあるだけで、子供は思いのままに作り積み木の特性も自然に体得していきました。今では構成玩具はモデル作りのようになっていて、マニュアルに従ってつくるようになっています。それ自体は否定的には見なされませんが、自分でオリジナルを作るほうが優っているのは言うまでもありません。
シュピールグート|選ぶための原則

遊びの展開が望めるもの

子どもの能力を最大限伸ばすには,子どもがそのおもちゃを使って試行錯誤しながら遊びこむことが必須条件です。そのためには,おもちゃには「遊びの余白」が必要です。

遊び方の種類が一つではなく,子どもの想像力の赴くままに遊びを展開させられるだけの余白が良いおもちゃを選ぶ上では大切なポイントになります。

その点でいうと,「電動おもちゃ」や「キャラクター玩具」は遊びのやり方が決まっていて,なかなかそこから発展させることが難しいものが多いです。遊び方が決まっていると,子どもは遊びの中で思考することができず,想像力や問題解決力は伸びていきません。

子どもの想像力を刺激するなら,よりシンプルで構造的にもわかりやすものがおすすめです。シンプルなものほど,子どもは自分の興味関心を膨らませ遊びに集中することができます。

シュピールグートでは,「想像力」「遊びのバリエーション(多様性)」「構造と仕掛け」で評価されています。

想像力
玩具は子供の想像力を刺激すべきもので、それを狭めるものであってはなりません。今の玩具は昔よりディテ-ルまで作りすぎるきらいがあります。人形に電子部品を入れるのを私達は今でも否定しています。お話しする人形は、子供が人形と自由におしゃべりすることと取って代われるわけでもなく、それを促すものでもありません
遊びのバリエーション(多様性)
玩具はいろいろな遊び方ができて、バリエーションや組み合わせができるものでなくてはなりません。子供が自分自身で工夫できるようなものがいいのです。
構造と仕掛け
これは子供向けに考えられ、また子供から理解されなくてはなりません。ただ、時と共に比較的複雑な構造の玩具で遊べる子供の年齢が、どんどん低くなっているのは確かです
シュピールグート|選ぶための原則

自分で選びきれないときはプロの力を借りてみよう

日本国内最大規模のおもちゃ見本市「東京おもちゃショー」では毎年数多くのおもちゃが展示されています。2023年は約3万5000点ものおもちゃが集まりました。
(参考:レスポンス|3万5000点!! 東京おもちゃショー2023開催、一般公開は4年ぶり[フォトレポート]

これだけの数の中から子どもに最適なおもちゃを選ぶのはちょっと大変ですよね。

ヨーロッパに比べると日本のおもちゃはキャラクターものや電動のものが多い傾向があります。おもちゃ売り場に行っても,子どもの成長に合わせたおもちゃがなかなか売っていないことも。

子どもに最適なおもちゃ選びに迷ったらプロに相談して力を借りてみましょう。

近所に児童館おもちゃ図書館があれば子どもの成長にあったおもちゃについてアドバイスがもらえるかもしれません。

おもちゃ図書館は,ボランティアによって運営されているおもちゃで自由に遊ぶことのできる場所です。おもちゃの貸し出しもしているので借りて行ってお家で遊ぶこともできます。

「おもちゃ図書館(トイライブラリー)」は親子で、またボランティアと一緒に、たくさんのおもちゃの中から好きなものを選んで自由に遊ぶことができ、家でも遊べるように貸し出しをするところです。おもちゃ図書館がスタートした当時(1983年頃)は、障害のある子どもとその兄弟姉妹のための活動でしたが、現在は障害のある子もない子も共に遊び、交流し、育ち合う場となっています。
おもちゃの図書館全国連絡会|おもちゃ図書館ってどんなところ?

近所に児童館やおもちゃ図書館がない,という人はおもちゃのサブスクレンタルを検討してみるのもいいでしょう。おもちゃのプロが子どもの年齢にあったぴったりのおもちゃを選んでくれるサービスもあります。サブスクのレンタルなら,すぐに適用年齢がすぎてしまう子どものおもちゃも,年齢が上がってきたら返却することができるので,使われなくなったおもちゃでお家が溢れてしまうという事態も防げます。

もちろん,子どもが通う保育園学童の先生で詳しい人がいれば相談してみるのもいいでしょう。子どもの性格や特徴を知っている先生なら,より子どもの興味関心にあったおもちゃ選びのヒントがもらえるかもしれません。

まとめ|子どもが夢中になれるおもちゃ選びを

子どもが楽しく遊びながら最大限成長するためには,遊びこめるおもちゃを選ぶことが大切です。

おもちゃ選びのポイントは6つ

  • 発達段階にあったもの
  • 子どもの興味関心が広がるもの
  • 子どもが扱いやすいもの
  • 安全性の高いもの
  • 遊びの展開が望めるもの
  • 必要な量がそろっているもの

ときにはプロの力も借りながら,子どもが夢中になれて成長できるおもちゃを選んでいきましょう。

参考文献・サイト

トニー・ワグナー(著) 藤原朝子(訳). 2014. 未来のイノベーターはどう育つのか-子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの 英治出版
新開英二 (1993). 子どもの遊びとおもちゃ げ・ん・き編集部(編) おもちゃの選び方与え方, pp.77-91. エイデル研究所
天野秀昭. (2011). よみがえる子どもの輝く笑顔: 遊びには自分を育て、癒やす力がある. すばる舎.
松浦公紀 2004. モンテッソーリ教育が見守る子どもの学び 環境を征服する子どもたち. 学研教育みらい
堀田はるな(著) 堀田和子(監修) 2018. 子どもの才能を伸ばす最高の方法モンテッソーリ・メソッド. あさ出版
シュピールグート|選ぶための原則
レスポンス|3万5000点!! 東京おもちゃショー2023開催、一般公開は4年ぶり[フォトレポート]
おもちゃの図書館全国連絡会|おもちゃ図書館ってどんなところ?

ABOUT ME
こぐに
公認心理師/臨床発達心理士/保育士 大学・大学院で心理学を専攻。発達支援歴8年200人以上の保護者と子どもたちを支援。"こころの育ちの専門家"。 モットーは「豊かに生きる力を伸ばしてもっと笑顔に!」非認知能力を伸ばす子育てについてわかりやすく発信中。